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トイプードル手根部骨折修復
2013年12月7日土曜日
ネット上で検索すると、トイプードルの手根部骨折は多い症例みたいです。
抱えたくらいの高さからの落下でも骨折することも多く、骨折部手術によるトラブルも多くみられます。
固定方法は骨折する部位にも寄りますが、おおまかに大別すると、これまでのギブス固定(非観血的方法)、手術による髄内ピンを使用した内固定(観血的方法)、プレートとネジを使った内固定(観血的方法)、ピンとロッド(固定棒)ピンと樹脂を使用した傷外固定(観血的方法)があります。
それぞれの症例に適宜、費用なども考慮しながら、飼い主さんと相談しながら方法を決定することとなります。
プレートとネジを使用した内固定方法は手術翌日から使用することも可能で、人とは異なり、固定器具が露出していないことで、動物ではメリットも多くあります。
プレートとネジによる固定方法が獣医界で紹介されるようになり、動物専用のプレートも開発されるようになって、20年程度の年月が経過しています。当時は画期的な方法で、骨折の症例はすべて内固定方法になるのではないかと思われていましたが、デメリットも多くあることが次第に分かってきました。
今回の症例は、10ヶ月齢のプードルの手根部骨折にプレートとネジによる内固定方法をおこなった症例です。3ヶ月ほどして癒合状況や成長状況を確認して、プレートとネジを除去して2日後に跛行で来院した症例です。
レントゲンフィルムを良く見ると上部2本目のねじ穴(内側部)が再骨折してしまった様子が分かります。
どんな良い手術をおこなっても、完璧ではないということだと思います。
ネット上では、上手くいくときだけしかホームページに掲載しませんが、上手くいかないこともあるんです。
まだまだ、個々の先生が工夫して、骨折の固定方法が試されています。内固定だけでなく傷外固定方法などの方法も見直す時期に来ているのかもしれません。
今回の症例は、幸い、ギブス処置を施して3ヶ月程度経過して、現時は問題無く歩行が出来るようになっています。
何事も慢心するなかれ!ですな・・・日々反省